豊見城市某所(映り込んでいる構造物で分かる人には分かりますが)から岩礁に群れているカワウを観察してきました。
今回確認できたカワウは見える範囲で186羽でした。


「昔はこんなにいなかったよな…」という実感を裏付けるべく、環境省や野鳥の会の調査データを紐解いてみました。すると、沖縄のカワウはこの30年で「珍客」から「常連」へと劇的な変化を遂げていることが分かりました。



カワウの推定飛来数(沖縄本島)
年代 飛来数の目安 当時の状況
1980年代 数羽程度 めったに見られない「珍しい冬鳥」
1990年代半ば 約20〜50羽 ちらほらと目撃例が出始める
2010年代 約1,000羽〜 1,000羽の大台を突破。分布が全域へ
2020年代(現在) 約1,500〜2,000羽 安定して1,500羽前後が確認される
(出典:環境省「ガン・カモ類生息調査」、沖縄県「第二種特定鳥獣管理計画」等)
1995年頃にはわずか20羽程度だったのが、今や1,500羽以上。なぜこれほど増えたのでしょうか?


背景には、九州や本州で個体数が爆発し、新天地を求めた群れが南下してきたこと。そして沖縄の川やダムには、彼らの大好物であるテラピアなどの外来魚が「食べ放題」状態で広がっていたことが、定着の後押しになったようです。
カワウの群れの様子を動画撮影してきたので貼っておきます。
動画を編集している最中にミサゴが1羽混ざっている事に気づきました。



よく見るとミサゴの周りではムナグロも羽を休めていますね。
話をカワウに戻すと、彼らはいまや沖縄の生態系の一部となりつつあります。
一方で、内水面漁業や養殖業への食害は年々深刻化しており、もはや「ただ眺めているだけ」では済まない状況にきているのも事実です。

かつての「珍しい冬鳥」から、地域の課題を象徴する存在へ。 「豊かな自然の証」と喜ぶべきか、「生態系のバランスの崩れ」と危惧すべきか。 目の前の186羽の群れを眺めながら、複雑な思いを抱いた観察記録でした。
皆さんは、この黒い隣人たちとの付き合い方、どう考えますか?