沖縄で野鳥観察

主に沖縄本島内を歩き回っています

エリグロアジサシの観察記録

7月25日、今年も夏のアジサシたちに会いに本部町へ。
過酷な台風を越えた離れ岩礁で出会った、エリグロアジサシの記録です。

 

5月頃に南の海から渡ってくる夏の使者、エリグロアジサシ。
純白の羽毛と、名前の由来でもある目元から襟足へと伸びる黒い帯が印象的な種です。

 

しかし今回は、例年繁殖地となっているいつもの岩礁に営巣するペアの姿を見ることはできませんでした。

エリグロアジサシ(本部町2026年7月25日)

6月・7月と相次いで沖縄を襲った台風の暴風雨や高潮が影響しているのでしょうか。

 

彼らはサンゴ片や岩の窪みに直接1〜2個の卵を産み落とします。

エリグロアジサシ(本部町2026年7月25日)

卵は約3週間で孵化し、誕生した雛はサンゴの砕片に見事な保護色で溶け込みますが 今年のこの場所での子育て観察は難しいようです。

エリグロアジサシ(本部町2026年7月25日)

 

次の2枚は妻が撮影した同一個体。

エリグロアジサシ(本部町2026年7月25日)


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エリグロアジサシ(本部町2026年7月25日)

観察時のマナーと保全

  • 過酷な環境と親鳥の役割: 遮るもののない岩礁上では、強烈な直射日光から卵や雛を守る親鳥の日陰(遮光)が生命線。

  • 適切な距離感: 人間が近づきすぎて親鳥が巣を離れると、短時間で卵や雛が命を落とします。岩礁には登らず、遠方から静かに見守ることが観察の絶対条件です。

台風の試練により今年の繁殖は厳しい結果となりましたが、過酷な自然と向き合いながら生き抜く彼らの気品ある姿に、静かに敬意を表する一日となりました。

 

他のコロニーが無事であることを祈ります。

 

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羽毛の変化: 豊見城市で観察したメダイチドリ

先日訪れた豊見城市の豊崎海浜公園の外周でメダイチドリを見かけました。

 

春と秋の渡り期に沖縄へ立ち寄る旅鳥、メダイチドリ。


例年であれば南下ルートの秋の渡りは8月下旬頃から本格化しますが、今年は1ヶ月近く早い7月下旬の登場となりました。

メダイチドリ(豊見城市2026年7月21日)

出会った2羽は、胸の橙色が薄れかけた冬羽への移行期。

メダイチドリ(豊見城市2026年7月21日)

春の渡りで見せる鮮やかな夏羽とは異なり、全体的に色味が落ち着いたぼんやりとした色彩を見せていました。


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メダイチドリの渡りと換羽ステージ

  • 渡りの時期: 沖縄では春(4〜5月)の北上期と、秋(8〜10月)の南下期に立ち寄る旅鳥(一部は越冬)。

  • 羽色の変化: 繁殖期の鮮やかな橙色の胸(夏羽)から、非繁殖期の灰色がかった地味な羽色(冬羽)へ、渡りの途上で徐々に変化していきます。

メダイチドリ(豊見城市2026年7月21日)

例年8月〜9月は 鮮やかな夏羽の名残がある個体から、すっかり地味になった冬羽の個体、若い幼鳥まで、様々な換羽ステージのメダイチドリが混ざり合う変化に富んだ観察が楽しめます。

 

今回、冬羽への移行期のメダイチドリは初めてだったの嬉しい。

 

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シロチドリの擬傷行動

晴れ間と無風がもたらす凄まじい蒸し暑さ。

 

そんな中でもシロチドリ達は元気。

 

豊崎海浜公園のシロチドリ達は子育てのピークを過ぎ、全体的に穏やかな雰囲気に包まれていました。

シロチドリ(豊見城市2026年7月21日)


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シロチドリ(豊見城市2026年7月21日)

しかし、公園外周の遊歩道へ移動した際、1羽のシロチドリが突如目の前に飛び出し、激しい擬傷(ぎしょう)行動を開始しました。

シロチドリ(豊見城市2026年7月21日)

片方の翼をダラダラと引きずり、まるで怪我を負ったかのような演技を見せる親鳥。捕まえられそうで捕まえられない絶妙な距離を保ちながら、人間を巣や雛から遠ざけようと必死に誘導を続けます。

 

擬傷行動の仕組みと観察時の注意点

  • 親鳥の決死の戦略: 片翼を引きずり弱々しく鳴くことで、自らを「容易な獲物」に見せかけて天敵の視線を誘導。十分な距離まで遠ざけると突如力強く飛翔して離脱する、命がけの防衛行動です。

  • 人間の遊歩道と営巣地: 砂浜側は海水浴客のために草刈りが行われており、環境の変化に伴って親鳥が海側の護岸に繁茂する草むらへ雛を移動させたと考えられます。

シロチドリ(豊見城市2026年7月21日)


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繁殖期も終わりかけですが、まだ雛を伴った親鳥がいるんですね。

シロチドリ(豊見城市2026年7月21日)

擬傷は親鳥に極度のストレスと体力消費を強いる行動です。

 

見かけた際は速やかにその場を離れることが鉄則ですが、人間用の遊歩道沿いという環境下、彼らも生き残りをかけて必死に場所を選択している様子が伺えました。

 

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アオサギの幼鳥観察記録

せっかくの3連休に鳥見へ出られなかったのは残念でしたが、7月5日に瀬長水路で捉えたアオサギ幼鳥の記録をまとめます。


沖縄における本種のステータスと照らし合わせても、非常に興味深い観察となりました。

 

この日は 豊見城市の瀬長水路にて単独で採餌に勤しむアオサギの幼鳥に出会いました。

アオサギ幼鳥(豊見城市2026年7月5日)

近年、一部の個体が夏場も渡らずに沖縄に留まる「夏越し」の挙動が観察されている。ただし、これらが直ちに繁殖へ結びついているかは個体ごとに異なり、若鳥などの非繁殖個体が滞在しているケースも多い。

この幼鳥はそのような繁殖行動に参加しないため北に渡らなかった越夏個体かと思われます。

アオサギ幼鳥(豊見城市2026年7月5日)

まだ若さが残る個体ですが、狩りの腕前は実に見事。

水中のターゲットを的確に捉え、次々と魚を捕まえては呑み込んでいました。

 

以下の3枚は妻が撮影した同一個体。

アオサギ幼鳥(豊見城市2026年7月5日)

妻が捉えたカットでは 後頭部から薄っすらと飾り羽(冠羽)が伸び始めている様子が分かります。

 

狩りの様子はこちらの動画で。


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アオサギ幼鳥(豊見城市2026年7月5日)

沖縄県内において、アオサギは公的に「冬鳥」または「旅鳥」として分類されています。

  • 繁殖コロニーの不在: 本州などでは高木の林に集団営巣地(コロニー)を作りますが、沖縄県内では確定的な営巣や繁殖の記録はありません。

  • 非繁殖個体の滞在: 近年見られる「夏越し(越夏)」は、繁殖に参加しない若鳥や非繁殖個体が北へ渡らず留まっているケースが主流です。

アオサギ幼鳥(豊見城市2026年7月5日)

今回出会った幼鳥も、繁殖行動に参加しないため渡りを行わなかった越夏個体と考えられます。

 

いつか本州などのコロニーで、巣立つ前の雛をじっくり観察してみたいものです。

 

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繁殖期を終えたリュウキュウツバメの群れ

先週末は台風9号の影響でバードウォッチングに行くことができませんでした。

 

今回はその前の週に行ってきた金武町の芋畑で撮影したリュウキュウツバメの写真をまとめていきます。

 

夏の金武町を象徴するリュウキュウツバメ。

リュウキュウツバメ(金武町2026年7月4日)

過酷な子育ての季節を終え畑地には穏やかな空気が流れていました。

 

リュウキュウツバメ(金武町2026年7月4日)

並んで羽を休める成鳥たち。
繁殖期特有の張り詰めた空気は消えどの個体も落ち着きを取り戻しています。

 

リュウキュウツバメ(金武町2026年7月4日)

電線に並ぶ数羽の中に、羽色の模様が全体的にぼんやりとした個体を確認。

今年生まれの幼鳥と推測されます。

 

リュウキュウツバメの雛は 巣立った後もしばらくは親鳥と行動を共にし、飛行技術や空中での捕虫方法を学びながら自立へと向かいます。

リュウキュウツバメ(金武町2026年7月4日)


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彼らは 本種ツバメに比べ、やや気性が荒い一面を持ちます。


特に繁殖期、営巣地に近づく人間に対して鋭い警戒声を上げながら激しく突進・威嚇する姿は珍しくありませんが、7月に入った現在はすっかり穏やかな雰囲気に変わっていました。

 

追記: 3月22日に3羽の雛の誕生を確認していた「宜野座の道の駅」の巣を同日確認しに行ったところ、こちらもすでに全羽が無事に巣立ち 現在は完全に空き家となっていました。

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春先から続いていた彼らの長い子育てシーズンが、無事にひと段落ついたことを告げる、夏の芋畑のひと幕でした。

 

 

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真夏の金武町芋畑と億首川周辺

梅雨が明け、カラッと晴れた7月4日の土曜日。
約3ヶ月ぶりとなる金武町の芋畑と億首川周辺での鳥見記録です。

 

湿度も低く快適な天候の中、半月ぶりのバードウォッチングを開始。

広大な畑地と水辺を歩き回りました。

 

最初に出会ったのは珍しい夏のオオバン。

オオバン(金武町2026年7月4日)

沖縄では基本的に冬鳥ですが、近年は北へ帰らず夏を越す「越夏(えっか)個体」が各地で報告されています。

自身にとっては 今回が沖縄の夏における初めての確認となりました。

 

億首川河口のマングローブ林へ移動。


アマサギとダイサギが集まり、混群を作って休んでいました。

サギ混群(金武町2026年7月4日)

 

一時期に比べて落ち着いたかと思われた外来種のタイワンシロガシラですが、再び畑周辺でその姿を頻繁に見かけるようになりました。

タイワンシロガシラ(金武町2026年7月4日)

 

畑の上空を飛び交う、真夏の金武町を代表するリュウキュウツバメ。

リュウキュウツバメ(金武町2026年7月4日)

多くのカットを撮影できたため、彼らの記録は別記事にて詳細をまとめます

 

収穫が終わった後の畑地では スズメの一団が地面に落ちた落穂を熱心に拾い集めていました。


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スズメ(金武町2026年7月4日)

 

マングローブ林から畑へと移動してきたアマサギとダイサギの混群。


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サギ混群(金武町2026年7月4日)

繁殖期が一段落したのか、どの個体も落ち着いた様子で採餌や羽繕いを行っていました。

 

サギ類の混群やスズメの群れなど、子育てを終えた鳥たちのリラックスした行動が目立つ真夏の金武町芋畑でした。

 

 

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2026年6月の野鳥

台風6号やら破天やらで今年の6月はあまりバードウォッチングに行けなかった。

 

6月最初の鳥見は通りがかりの街路樹にいたリュウキュウヒヨドリの幼鳥。

リュウキュウヒヨドリ幼鳥(那覇市2026年6月14日)

型落ちスマホの解像度ながら、自力で枝に飛び上がる元気な姿を確認。

適切な距離での見守りで自立を確信した。

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自宅付近のビル屋上で20分近く地鳴きを続けていたメス。

イソヒヨドリ♀(那覇市2026年6月18日)

遠くからの応答もあり、都市に適応した彼らの梅雨晴れのコミュニケーションを捉えました。

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そして6月最初のバードウォッチングは豊崎海浜公園にて、5月に出会ったシロチドリ雛の生存確認を行う。

 

写真は妻が撮影したシロチドリの成鳥。

シロチドリ成鳥(豊見城市2026年6月20日)

雛たちも無事でした。

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さらに日本で放鳥された証である「青いフラッグ」をつけたベニアジサシ。

ベニアジサシ(豊見城市2026年6月20日)

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コアジサシ(豊見城市2026年6月20日)

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キビナゴを狙うコアジサシの狩りと3組の抱卵(妻撮影)も確認。

コアジサシ(豊見城市2026年6月20日)

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この日豊崎海浜公園で出会ったその他の野鳥たち。

クロサギ白色型(豊見城市2026年6月20日)

エリグロアジサシ(豊見城市2026年6月20日)

クロサギ白色型やエリグロアジサシなど、夏の主役たちが勢揃いしていました。

 

週明けは先の大戦で沖縄戦が終わった日とされる「慰霊の日」

参列した慰霊祭の開始前、慰霊塔近くで営巣中のツミを発見。

ツミ(糸満市2026年6月20日)

目的はバードウォッチングではなく、あくまで慰霊祭への参列だったので写真はこの3枚だけ。

 

26日は台風7号が沖縄本島を直撃した。

 

台風一過の翌27日。

6月最後の鳥見は読谷村の高台にてツミの観察。

ツミ♀(読谷村2026年6月27日)

前回確認した巣も雛が巣立ち空き家になった後に台風7号の直撃に耐えられず跡形もなく消えていました。

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*おまけ

読谷村の宜野座城跡の駐車場で長鳴きしていた野良ニワトリ。

某蚊取り線香のマークのような立派な鶏冠。

 

今年の6月は台風と線状降水帯のせいで破天の週末ばかりで、あまりバードウォッチングに行けなかった。

 

6月29日にようやく発表された梅雨明け。
いよいよ本格的な夏鳥シーズンが到来しますが、気になるのは7月2日に発生した台風9号の進路。

これ以上の直撃や進路妨害がないことを祈るばかりです。

 

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